国が所有する底地のトラブル

借地の地主がいつの間にか変わっている?!

地主さんから土地を借りてそこに建物を建てて利用することの権利を借地権といいますが、一旦借地権を取得すると借地人は半永久的に利用できるようになります。

そのため、土地を貸してくれた地主さんが相続する過程で、変わってしまうことは起こるものです。

例えば底地を相続した際、相続税は現金での納付が原則のため、まとまった金額が必要で、もしも、現を用意できない場合、かつては物納という方法で納税が可能でした。
そのため、借地を関東財務局や財務省が所有することになります。借地の所有者が関東財務局や財務省になっている場合があります。現在は収益性が低く、権利関係も複雑なため底地の物納が認められることはほとんどありませんが過去にはままあることでした。

こうして、借地権付きの不動産においても国が地主となった場合、投資としての価値をつけるチャンスがあるのです。(関連記事:投資で男の価値を上げる

国が地主となった場合の借地人の選択肢

国が地主となった場合、借地人はどのようなことに気をつけ、どのような契約の見直しをするべきなのか、またどんな選択をするべきかここでは5つのケースを紹介していきます。

ケース1 このまま住みつづける

借地の契約を現状のまま続けることも選択肢の一つです。
国が底地を所有している場合、建て替えの承諾は一定の金額を支払えば必ず承諾してもらえます。しかし、抵当権の設定は認めていないので、ローンを組むことができません。
建て替えたい場合、建て替え承諾料、建て替え費用を現金で用意することになります。

ケース2 借地権を国に売却する

一応選択肢の1つとして挙げましたが、国は借地権を購入してその土地の所有権を取得しようとするケースは極めて低いといっていいでしょう。
なぜなら民間に対して貸し付けている国有地は「利用価値が低い」と国が判断しているため
そのためです。ですから借地権を国に売却できないと思っていいでしょう。

ケース3 第三者へ売却する

国の承諾を得て、借地権を第三者へ売却できます。
この場合、譲渡承諾料を支払う必要があるので、金額についてよく確認しておきましょう。
地主が個人の場合だと第三者への売却・譲渡を認めないケースはありますが、国の場合譲渡承諾料を支払うことで売却できます。

ケース4 底地を国から購入する

財務省のホームページには「物納財産等で借地権等の権利が付着した財産については、当該権利者に直接売却することが可能です」とあります。
国としても底地を借地権者に買取ってほしいと考えています。

ケース5 底地と借地を同時に売却する

先にも挙げた通り借地権を第三者へ売却する場合、譲渡承諾料が発生し手元に残る費用が少なくなります。
また、借地権付きの建物を購入したいという買主を見つけるのは大変です。
そこで、底地と借地を同時に売却する方法があります。
売上金額の割合は路線価の借地権割合の按分が多く、話もスムーズに進みます。

同時売却は専門家へ相談を!

ただし、国との協議や購入希望者の審査、売却交渉など手続きが複雑というデメリットも。
また、同時とはいっても実際の借地権・底地権の売却交渉は個別に行われることも理解しておかなければなりません。
国有地の底地権を処分するであれば同時売却に詳しい不動産会社へ相談してみることをおすすめします。